「ダンス部は応援に来ないでくれ」
3年前かな。教育実習にダンス部の卒業生が来ていました。まじめで一生懸命な実習生。情熱的で元気いっぱいでした。一条高校の教員になってダンス部の顧問になり、ダンスの指導をする。そんな夢を抱いて必死で勉強し大学に進学し、実習時にはすでに小学校の教員に内定していました。一条高校の教員には残念ながらなることはなかったけれど、今小学校で教員をしていると思います。
その先輩が、実習時にいろんな話をダンス部員にしてくれました。彼女が在学時に言われたというのが上記の言葉。
「ダンス部は応援に来るな」
いろんな事情があったのでしょう。ダンス部員が何か悪かったのか、それはわかりません。他の部活の試合の応援に行きたかったのにダンス部は行くことが出来なかった。ずいぶん悔しい思いをしたようです。そんなこともあって、授業も必死で受けた。なんとか認められようとして。
実習に来て、現役のダンス部員の学校生活の送り方が歯がゆく思えたようです。私たちの時に比べて今はこんなに恵まれた環境で練習できるし、ダンス部が学校で認められた存在になったはずなのに、どうしてそんなにグダグダと怠けているのかと。
授業も、学校生活も、部活も、もっと出来るはずであると。涙を流しながら部員たちに語っていました。
俺も同感です。そして今もそう思います。
2009年、一条高校に来て2か月。最初の引退ライブのあと、部員たちからあるいは部員の保護者たちからそんな話を聞きました。ダンス部はいらない存在であると思われている。認められていない部活であると。必要がない部活であると。その時も、多くの生徒と多くの保護者が涙を流して話していました。俺はその時、正直何のことかよくわからなかった。
とくだん全国大会に行っている今のダンス部員がエライという訳では毛頭ありません。恵まれていない環境の中で、必死で好きなダンスを練習していた数多くの先輩たちがいます。対外試合に一回も出場することなく、部活動を終えた先輩たちです。そもそもダンス部の大会そのものもほとんどありませんでした。
そのような先輩たちに支えられて今のダンス部があります。おそらくそういう先輩たちも、どこかで今のダンス部を見守ってくれているのだと思っています。
ほんとうの雑草魂はそこで鍛えられました。だからこそ、その魂を失ってはならないと思います。
ダンス部員諸君。俺はそう思っています。
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